第33回 学習会報告 福谷朋子弁護士に聞く 児童虐待とその対応 時:令和元年10月27日(日)10:00~11:30 場所:ウィルあいち セミナールーム4 講師:福谷 朋子 弁護士 子どもサポート弁護団(旧キャプナ弁護団)、NPO法人子どもセンターパオのパートナー弁護士として活躍される福谷さんは、子どもの権利に携わりたいという思いで活動されています。 児童虐待の現状と、虐待が疑われるケースに遭遇した時の私たちがとるべき対応についてお話を伺いました。 児童虐待相談対応の件数は増えていますが、児童虐待防止法が施行されてから家庭内で隠れていたものが認知されるようになった結果ともいえます。児童虐待に至る恐れのある要因をあげます。 子ども側のリスク要因 ●乳児期の子ども ●障害児 ●未熟児 ●多胎児 ●保護者にとって何らかの育てにくさを持っている子ども 他 養育環境のリスク要因 ●経済的に不安定な家庭 ●未婚を含むひとり親家庭 ●内縁者や同居人がいる家庭 ●子連れの再婚家庭 ●転居を繰り返す家庭 ●夫婦間不和、配偶者からの暴力(DV)等、不安定な状況にある家庭 他 保護者側のリスク要因 ●予測しない妊娠(妊娠そのものを受容することが困難) ●マタニティーブルーや産後うつ病等精神的に不安定 ●精神障害、知的障害、慢性疾患、薬物・アルコール依存 ●保護者自身の被虐待経験(虐待の連鎖) ●育児に対する不安 知識や技術の不足 ●体罰容認などの暴力への親和性 他 リスク要因を摘むことは難しいものです。一方的に困った親と非難するのでなく寄り添い安心感を持ってもらうよう支援していくことが大切です。 私たちが虐待か?と疑うケースに遭遇した場合は躊躇しないで通告してください。虐待の有無を判断するのは、児童相談所の仕事。守秘義務違反にはなりませんので児童相談所が判断するための情報をきちんと提供。 子どもの5年後、10年後を想像し、「子どもを守ること」を最優先に考えましょう。 (文責 岩根)