スクールロイヤーなんじゃらほい!
日時:2019年9月2日(日)13:30~15:30
会場:ウィルあいち第6会議室
講師:高橋 直紹 弁護士
スクールロイヤーってなんでしょうか??
学校現場で発生する様々な問題に対して、裁判になってから関わるのでなく、むしろトラブルが予想されそうな段階から学校の相談相手としての立場で、子どもの最善の利益の観点から、教育や福祉、子どもの権利などの視点を取り入れ継続的に助言する弁護士とインターネットでひくと・・・・記載されています。
ポイントは、トラブルが予想されそうな段階から関わる 学校の相談相手の立場で関わる 子どもの最善の利益の観点から関わるということでしょう。
◎これまでの学校現場に関わる弁護士は・・・
- 相手方代理人 子ども(保護者)の代理人
・被害等を訴える子どもや保護者の代理人として学校と交渉する。
・正に被害回復のために動く。訴訟だけでなく交渉にも出てくる。
・子どもと保護者との意向が違う場合がかなりある。 - 顧問弁護士 学校や(県や市町村)の代理人
・学校の代弁者。学校の意向が子どもにとって最善の利益に沿うかどうかはともかく、学校の利益のために動く。
・通常は訴訟になってから(特に公立の場合) - 子どもオンブズマン 中立公正な第三者機関
・とよた子どもの権利擁護委員会 可児市のいじめ防止専門委員会など
・子どもの権利の救済機関 子ども(保護者)の訴えにより、或いは独自に活動する。調査、調整、助言、支援、是正勧告を行う。 - いじめの第三者委員として(いじめの対策推進法に基づく)
というような活動が主なものでした。
◎スクールロイヤーシステムを導入している自治体
2007年~ 東京都港区
2013年~ 大阪府 三重県、岐阜県、明石市でも独自の取り組みが始まっている。
◎スクールロイヤーのイメージの多様性
- 中央教育審議会(中教審答申「チーム学校のあり方」2015年)
・対応が困難な保護者の対応 「チーム学校」の構成員として対応が困難な保護者の対応を担い、教員の負担を軽減する。「教育対象暴力」(モンスター・ペアレント)が意識されている。 - 文部科学省(平成30年度予算概算請求 2016年)
・目的:いじめの防止等
・法的側面からのいじめ予防教育を行う。いじめなどの諸課題の効果的な解決に資する。 - 日本弁護士連合会(「スクールロイヤーの整備を求める意見書」2018年)
・目的:子どもの最善の利益の実現
・学校側の代理人にはならない。裁判からではなく、トラブルが予想されそうな段階から関わる。
それぞれの立場での考え方が表れているようです。
◎スクールロイヤー制度が長期的に意義あるものになるためのポイント
- 法的なアドバイス
・学校の合理的裁量とその限界の見極めの重要性。危機管理。法的手続き。適正手続の遵守。 - 紛争解決・紛争調整を目指す
・相談事例に対する客観的なアセスメントの必要性。学校教育の安定化を図る。スクールソーシャルワークの視点 - 相談者、教員をエンパワーメントする意識、不安の取り除き。
スクールロイヤーは、取り組みが始まったばかりの制度です。子どもの権利が重要になるという姿勢が大切になってきます。子どもの利益が守られる制度になっていくことが求められます。