第40回学習会報告

困難を抱える子どもたちへの支援

日時:6月9日(日)11:00~12:30

講師:高橋 直紹さん 【弁護士 あいち・子ども NPO センター 監事】

高橋さんは、これまでに、「名大生事件」「弥富事件」「東大前事件」など、世間を騒がせた少年事件に携わってこられました。基本は名もない少年事件や子ども事件が中心。弁護士生活 28 年、その数 200 件にのぼるとのことです。

これまで出会った子どもたちから感じてきたこと、特に、最近の子どもたちから感じておられることをお聞きすることができました。

・外への発散型から内に籠る型へ変わってきている

やんちゃな感じの子が少なくなっており、一見普通にみえる子が、内に籠りリストカットや薬物に手を出すケースが目立つ。外に発散している子は健全なのかもしれない。

・愛着問題・・・様々な場面で影響が出る 他者と自分との心地よい距離感が必要

親と一緒にご飯を食べることや、誕生日を祝ってもらうという、ごく普通の経験をしないで育っている。親との愛着関係が持てていない。べたべたとした関係を求めてくることが多く、少し寂しいかと思う位の他者との距離感が良いのだという感覚を知らせていくことが大切だと感じている。

・発達特性の理解の大切さ

頭の良い子は知性で処理するのだが、本人は悶々としたものを抱えていたりする。現代社会では、環境や情報の入り方が変化してきたことに一因があるのかもしれない。普通にコミュニケーションが取れるのだけれども、どこか一点が欠落していたりすることが多々ある。

・感情の未分化

嬉しいのか、悲しいのか、わからない。感情を言葉にできない様子が見受けられる。

◎高橋さんは、可能な限り「生きているか」メールやラインを送るそうです。たまにくる「生きているか」メールに自分のことを忘れないでいてくれる人がいることを感じる子どもたち。細く長く関わり続けることが大切なのでしょう。

【文責 岩根】