第36回学習会報告

瀬戸市 にじの丘学園視察研修

日時:令和5年1月24日(火)14:00~15:30
参加者:8名
全市的に小中一貫教育を目指す瀬戸市の取り組みを視察見学し、未来を担う次世代のための教育環境整備の実際を学ぶ機会にしました。

令和2年4月に開校した「にじの丘学園」は、瀬戸市の丘陵地帯、小高い丘の上にありました。
広大な敷地にゆったりと校舎とグラウンドが配置されています。広い昇降口を入ると1年生~9年生(小学1年~中学3年)までの靴箱が並び壮観です。その奥は多目的スペースから大階段へと続きます。この大階段は、ステージと客席という使い方もできるものであり、大階段横は本棚と一体となっていて開放的なライブラリー(図書室)と繋がっていきます。大階段、ライブラリー、多目的スペースは学校の中心となっていて、これらの空間で異学年の交流が生まれるだろうことが想像できます。一方、教室棟に目を向けると、廊下は幅広くとってあり、ワークスペースとして利用可能です。教室との間 間仕切りはスライドドアになっているで、ドアを開放 すると多様な学習活動が可能になっています。
「にじの丘学園」の名前の由来は、7つの学校(小学校 5 校 中学校2校)が統合して誕生したので、虹のなな色からきています。閉校した7つの学校のことも忘れない ようにとの思いから、閉校した学校のピアノやオブジェなど、備品や設備が設置され 利用されています。その一つのアップライトピアノが昇降口に置いてあり、隔週木曜日に、登校時間に合わせ地域の方が街角ピアノならぬ学校朝ピアノの演奏をしてくださるそうです。気持ちの良い一日が始まることでしょうね。
校舎内には登り窯をイメージした設えや、瀬戸焼の時計は瀬戸市ならではのものです。また、校舎のあちらこちらに、遊びの空間があり木材をたっぷり使った校舎はとても居心地の良いものでした。


○学校施設見学後 校長先生からお話を伺いました
開校に向けての準備期間中、各地区の小学校が閉校になることに住民の方の抵抗感が強く、 理解を得ることが難しかったそうです。その空気が一変したのは、開校前の2月に実施した内覧会後。素晴らしい施設を目にした住民は、学園を応援する側に転じたそうです。開校から3年にじの丘学園に入学するために転居する若いファミリーが増えてきているとのことでした。
小中学生が一緒に生活しているからこそ、9年生が小学校の授業のサポートをしたり、6年生が中学校の生活について質問をしたりする機会を持つことが可能です。授業間や放課後に中学生に小学生が鈴なりになって戯れている姿が見られます。また、校舎内に入るのを渋る小学1年生を中学生が上手にリードし、登校をサポートしていく事例があったそうです。異年齢の交流が自然発生的に生まれてくるのでしょう。
校舎昇降口横には、地域活動室があります。地域の方がボランティア登録をし、授業補助ボランティア、校外学習引率補助ボランティアなどの活動をしておられます。中でも、旧5学区からの通学は広範囲に渡り、3方向から路線バスを利用しての登下校ということで、安全を見守るボランティアは200人にのぼり、児童生徒の安全を確保しているそうです。
地域と学校が手を結び子どもの未来を育む体制が整っていることを実感できました。