第32回学習会

学童保育の現状とこれから

日時:平成31年3月21日(木祝)10:00~12:00
場所:労働会館本館
講師:愛知県学童保育連絡協議会賀屋哲夫
参加:11名

保育園の待機児童問題のピークは2019年といわれていますが、保育園の入園を希望する0~2歳児はまだまだふえているのが現状です。保育園の延長保育の希望者数が増えるという事は、子どもが成長するにつれ、学童保育の需要が増していくことです。2025年から2030年の間が学童保育希望者のピークとの見方がおおかたです。ますます、学童保育のニーズが高まることが予想される昨今、「学童保育の現状とこれから」について愛知県学童保育連絡協議会賀屋さんにお話を伺いました。

学童保育の歴史を振り返ってみると・・・・
1948年大阪の今川学園が始まりです。保育園を卒園したあとの放課後が心配され、保育園の職員室で学齢児を保育しました。1947年につくられた児童福祉法を使って保育したそうです。現在は子ども・子育て支援新制度の中で、放課後児童クラブについてふれられています。2015年度より新しい資格として「放課後児童支援員」が創設されました。これまでは、放課後児童クラブに有資格者の配置は義務ではありませんでしたが、2名以上の「放課後児童支援員」を配置することが義務付けられました。

学童保育の役割・・・・

  1. 「就労保障と子育ての社会的保障」小学生を持つ保護者が安心して働き、子育てできる。
  2. 「子どもの発達保障」自分が習得してきたものを発揮し、自分が思ったことを話すことができる。自分を認める集団がある。発達に応じた生活ができる。
  3. 「家庭支援」核家族の増加で子育ての伝達がなく、子育て不安に陥りやすい。

先輩保護者の子育てアドバイスや専門知識を持つ学童保育指導員のアドバイスが有効。
学童保育の生活は「ただいま」「おかえり」で始まる生活。子どもが自ら帰ってくる昼間の家庭です。保護者代わりであり、お兄さん、お姉さんであったりするプロの子育て専門家である学童保育指導員の存在が不可欠です。

学童保育が抱える問題点と課題・・・・
まずは、学童保育指導員不足があげられます。賃金は保育士の6/8、待遇が良くない事が大きな理由といえます。
また、学童の待機児童、大規模化の問題があります。国の基準・市町村の条例ができ2015年から施行されていますが、国の定めた基準40人を守る自治体は待機児童が出、住民の要求があるという理由で全員を受け入れ大規模化している状況があります。市町村事業であるため市町村の考え方で施策が決まってしまいます。
一方、民間企業(人材派遣会社大手スーパーなど)も参入し、おけいこの場いわゆるセレブ学童です。しかし、そこには子ども目線の生活はありません。

学童保育の要は、子どもを真ん中(子どもが主体)に保護者と学童保育指導員がタッグを組んで子どもを育てていくことです。そこを支える基準、条例そして施策のさらなる拡充が重要といえましょう。(文責 岩根)