第28回学習会

子ども参画の学校建築

日時:平成30年2月12日(月祝)13:30~16:00 
場所:名古屋市市制資料館 会議室 
参加者:23名         
講師:鈴木賢一(名古屋市立大学芸術工学部教授)、長谷川裕一(名古屋市教育委員会総務部学校整備課主査)

「子ども参画の学校建築」名古屋市立大学教授の鈴木賢一さんから、子どもが参加したワークショップを実施し、学校建築を行った事例を紹介していただき、子どもが参画することとは何かを考える学習会となりました。まずは学校という場所の持つ特殊性。

  1. 国の定める教育制度が前提であること 
  2. 義務教育課程の円滑な実施可能となること 
  3. 多機能なスペースの集合 
  4. 多数の子どもの生活の場 
  5. 利用者関係者の入れ替わり(施設担当の異動、教員の異動、児童生徒の入れ替わり、保護者の入れ替わり) 
  6. 地域施設としての役割(学校は、地域のシンボル、依り所)

これらのことを踏まえた上での設計となっていきます。 
利用者と行政・設計者の間に第3者の専門家が入ることでより効果的なワークショップが可能となり、両者の信頼関係、学校に対する愛着が増す、より良い学校建築ための道筋が見えてくるとのことです。4つの学校建築の事例を紹介して頂きました。

〇旧下山村巴ヶ丘小学校(現豊田市)
山里に点在する5つの小学校の統合です。低学年は「遊び場、遊具を考える」中学年は「好きな場所を作ろう」高学年は「校舎を考える」をテーマにワークショップを重ね、ふんだんに木を使った木造の校舎の完成した様子が紹介されました。

〇犬山市羽黒小学校
模型を使った「教室ごっこ遊び」のワークショップから、中央に教壇のある教室や、子どもたちだけで共有される大事な場所があったらいいなという提案から、階段下のスペースを有効利用したミーティングスペースや秘密のスペースが形作られた様子が紹介されました。

〇豊田市浄水北小学校 浄水中学校
学校と地域が協働ですすめる事例。小学校でのワークショップ、第1回「敷地探検ワークショップ」学校建設予定地を子どもたちが専門家と散策し、敷地の自然環境を知る。第2回「間伐体験ワークショップ」専門家の指導の下、子どもたちと保護者、整備検討会のメンバーが間伐体験。中学生は中庭の計画を3回のワークショップからたてていきました。地域に開かれた学校になっていったことが語られました。

〇豊田市立土橋小学校
環境学習型エコスクールへの改修例です。使う人が感じる快適さとエコ度は相反するものがあります。子どもたちが環境学習を行い、子どもたちも参加し可能な限りの快適さを求めるエコ改修を行ったことで、子どもたち自身が改修後の学校案内(エコガイド)ができるまでになった様子がみられました。

これらの事例から、子どもたちの主体性に重きを置くことで、子どもたちの思いが入っていくプロセスを積み重ねていくことが大切と話されました。
名古屋市教育委員会の長谷川さんからは、「子ども参画の学校整備事例」としてお話を伺いました。

名古屋市では、築80年まで使用できる学校リフレッシュプランでリニューアル改修を行っているとのこと。北区東志賀小学校の改修事例を紹介して頂きました。特にトイレの改修では利用者としての子どもの参画に取り組み、ワークショップででた意見を基に、暗い、汚い、臭いトイレを一新するリニューアルの実際を設計図、現場写真からみせていただきました。実際に使ってみると改善点も出てきており、今後すすめる名古屋市内の小学校の改修工事の参考になっていくことでしょう。

これからの学校建築が子どもの参画があたりまえになり、工事の現場も子どもたちに見せていくことで、学校に対する愛着がもてるようになるでしょう。その思いを入れ替わっていく子どもたちの中で、メンテナンスも含め受け継いでいってもらえたら嬉しい事でなないでしょうか。また、地域に開かれた場所として学校が機能していくことを願いたいと、講師と参加者の意見交換する中で強く感じました。